KPGC110が製造を終了して16年ぶりに復活したGT-RがBNR32である。 当時日産が推し進めていた901運動の集大成として、当時の日産が持っていた技術を全て放り込んだ最新の戦闘機である。 エンジンは一代で名機となったRB26DETT。強化ブロックの装備などと明らかにレース参戦を前提とした設計で、 ライトチューンでも400馬力を達成するほどの拡張性がチューナーの間でも話題となった。 その重い車重や根本の問題点である強烈なアンダーステア特性から直線番長とみられがちだが、 4WDシステムはアテーサE-TSと呼ばれる独自の物を使用し、 普段はFRで走行しつつ、横Gやアクセル開度から徐々に前輪にもトルクを配分する電子制御システムを採用。 その為、FRの回頭性と4WDのスタビリティ、その「良いとこ取り」を行ったため、その車重からは考えられないほど曲がり、 「4WDは曲がらない」と言う考えを過去の物にした。 日産が最初にニュルに持ち込んだ車として知られるが、最初のテスト車両は一周走りきる事さえできず、ニュルの難攻不落ぶりを実感したと言われる。 そうした苦難を乗り越えてデビューした車はレースでも大きな活躍を収めている。 グループAで猛威を振るっていたフォード・シエラを下位クラスの車であるかのように突き離し、 同グループにて4連覇を達成。日本のスポーツカー史を語るうえで外せない一台となった。