フェラーリ生誕を記念するスペチアーレの一台。「公道を走るF1」と言うコンセプトの下、ピエロ・フェラーリの主導で開発された。 エンジンは当時のスクーデリアのマシンである「641」のエンジンブロックを流用し、その排気量を4.7Lに拡大したものを使用している。 また、そのエンジンをボディの一部としてブッシュを介さず直接マウントする事でボディ剛性の確保に一役買っている。 この設計手法はF1マシンならば当たり前の設計であるが、ロードカーとして見た場合、他に例が無いほど珍しい設計となっている。 サスペンションは純F1マシン的な構造で、サスペンションの動きを電子的に記憶して整備上のデータにする機能が付加されており、 ブレーキもコントロール性を重視してノンサーボとするなど、F1さながらのリニアな操縦性を追及している。 また、取り外しに手間と時間がかかるが、屋根を取り外してオープンスタイルを楽しむことが出来る。 純レーシングカーの設計を市販車に持ち込んだ車としても自動車史的に見ても大きな存在であることは否定できないだろう。